レポート記事
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2016.11.16「脚本演出・大和田悟史 × 主演・遊馬晃祐 緊急!ざくろ談話室」
10月某日、都内のスタジオにて、舞台「おとめ妖怪ざくろ」の事前稽古が行われました。
およそ5時間にも及ぶ白熱した稽古の末に、脚本・演出の大和田さん、主演の遊馬さんの胸中にはどんな想いが芽生えたのでしょうか…?
そんな彼らの心の内を探るべく、急遽対談をセッティング。
「ざくステ」への意気込みや、舞台への熱い想いを存分に語りあっていただきました!
遊馬「ざくろと総角の関係性がすごく重要」
大和田(以下、大) じゃあ今日は、お疲れ様でしたということで…
遊馬 (以下、遊) お疲れ様でした!
大 今日は台本を実際に読んでもらったんだけど、台本に関しての感想とかはある?
遊 そうですね…。
大 初めて読んだのはいつだったの?
遊 第一稿をいただいたときですね。最初はデータでいただいて、携帯で読んで…
大 携帯でか(笑)
遊 はい、携帯で(笑)。で、そのときにも一通り読ませていただいたんですけども、しっかり読みこんだのは一週間くらい前に最新稿をいただいたときですね。読んだときに、原作漫画の面白いところを取り上げつつちゃんとストーリーが作られててすごいなって思いまして…。あらためて、ざくろと総角の関係性がすごく重要になってくるってわかって、自分が頑張らなきゃって思いましたね。
大 読むときは、自分のキャラクターの気持ちになって読んだ?
遊 最初は純粋に読者として読みましたね。二回目読むときに自分のキャラクター中心で読んでみて、アクションあるなとか、せりふ多いなとかいろいろ考えて…(笑)。自分が舞台に 立ってる姿を想像しながら読んでみましたね。
大和田「ざくろをしっかり守らないとね」
遊馬「そうですね、安里勇哉さんを倒さないと…」
大 台本はまだ進行中なんだけど、「ここは観てほしい」っていう見どころみたいなのってどこだと思いますか?
遊 僕としては、「おとめ妖怪ざくろ」の世界観を皆様に見ていただいて、笑いのシーンで笑っていただいて、恋愛のシーンできゅんきゅんしていただいて、感動して泣けるシーンもありますし、喜怒哀楽を楽しんでいただければと思いますね。
で、さっきも言いましたけど、ざくろとの関係性が台本上一番重要になってくると思いますし、ざくろと出会ってからお互いを好きになっていく過程といいますか、そこが一番面白いところだと思いますので、そこを注目していただきたいですよね。
大 具体的にこのシーンは気になるぞっていうのはある?
遊 言っちゃっていいんですか?
大 大丈夫だよ。
遊 うーん、やっぱり、告白のシーンですかね。「好きだ」っていうのをしっかり言葉にするシーン。僕は恋愛の舞台はまだやったことないんですけど、純粋に総角景さんになりきってそういう気持ちが出るように稽古していきたいですね
大 ざくろをしっかり守らなきゃいけないからね。
遊 そうですね、ざくろを守れるように。アクションでも、安里勇哉さんを倒さないといけないので…。がんばらないとなって思います。
大 大丈夫?倒せる?(笑)
遊 えっ!そこは、もう…がんばります(笑)
大和田「きちんと正直にものをお届けして、正直におもてなしができるということでは、すごくいいなと思うんです。」
―ここからは、お二人にスタッフから質問させていただきます。俳優と演出家という異なる立場から、お二人にとっての舞台の醍醐味を教えてください。
遊 僕は一年前にデビューさせていただいて、初めての作品が舞台だったんですけど、それまで舞台に関してはあまり知らなかったんです。実際に舞台が始まって、稽古場に入って、わからないことがたくさんあって…。
でも、一か月間稽古したものを見せたときに、お客さんの反応だったり、歓声だったり、涙だったり、いろんなものを舞台って感じられるじゃないですか。初日を迎えて挨拶の時に、そういうものがが全部返ってきたように感じたんです。それが自分が舞台にハマッた瞬間といいますか、これからこの業界で生きていきたいなと思った瞬間ですね。それが今でもこうやって舞台をやってるきっかけになりました。
映像とかだと、…最近映像も経験させていただいたんですけど、もちろん初めて会った人たちといきなりお芝居するのも新鮮なんですけど、お客さんの反応だったりっていうのは映像だとわかりにくいじゃないですか。だから、カンパニー同士仲良くなったり、そういう舞台ならではの楽しさっていいなって思いますね。
大 舞台ってやっぱりナマモノですから、映像と比較しても全く違うものなんです。
ナマで、生きてる俳優さんのいろんな息遣いなり、お芝居なり、生き方なりが出てくるんですよね。それを出すためには、用意スタートで何の準備もなくやって出るわけじゃない。僕らが、いろんな人たちが、俳優さんをバックアップしてそれを出せるようにするんです。力を結集して俳優さんを押し出す、というと言葉が変ですけど、生でお客さんをもてなすためにみんなで何かをするっていうのはすごく贅沢なものだと思うんですよ。映像とか他の形式ではそういうことはあんまりないですしね。
ナマの俳優さんのいろんなことが出てくるから、きちんと正直にものをお届けして正直におもてなしができるということでは、すごくいいなと思うんです。結局舞台上に出るものだけで勝負して、お客さんはそれを味わって、っていう、非常にわかりやすいでしょ。開演時間に始まって、終わったらおしまいで。そういう意味ではわかりやすくて正直でいい。
あと演出家としては、始まった時に僕はもういなくていいというのはいいんですよ ね。
遊 なるほど(笑)
大 プレッシャーにさらされずにすむっていうね(笑)。だから自分には向いてると思うんですよ。やることやったら役者にお任せして、あとはもう自分が時間かけて作ったものが自分がいないところでやってるっていうのが面白くて好きなんですよね。
遊馬「少しだけでいいから、褒めてもらえるように」
―座長と演出という稽古場を引っ張る二人ですが、「ざくろ」をどんな舞台にしたいですか?
遊 今はプレッシャーもすごく感じてるんです。今日、事前稽古もして、ほんとあらためて自分が引っ張っていかなきゃいけないなっていう気持ちも出てきて…。すごくビビってるんですけど、それを覆せるように初日の稽古から自分ができることをしていきたいです。
自分の役割として、稽古場を明るくしたりとか、他のみんなの力になれることをしたりとか、できることはあると思うんですよ。座長としても未熟ですけど、未熟ながらできることをがんばって、千秋楽の時には、少しだけでも、少しだけでいいですから、褒めてもらえるように頑張っていきたいですね(笑)
大 (笑)
遊 まあでも、やっぱり明るいカンパニーにしたいと思いますね。怪我もなく。
大 僕の方はですね…。もちろん原作がありますから、コミックとか、それをもとにしたアニメーションとかもあるわけじゃないですか。そういうものを想像してくる人たちに「原作通りだったな」って思っていただくのもいいんですけど、それだけだとね。色鮮やかな原作の絵だとかアニメーションだとかそういうものと比較して、負けちゃいけないと思うんですよ。
もちろん生身の人間がやるわけですから、映像や漫画と違って場面場面の舞台背景の数は少ないし、出てくる人も原作と比べたら少ないと思います。でもその分、伝えたいことはしっかりと伝えて原作とか、原作をもとに作られたアニメーションとかそういうものに負けないようにしたいなと思ってますね。それは僕だけの力では足りないから…
遊 そうですね。僕らも、全力で…。
大 びっくりさせたいよね。いろんな意味で。
大和田「遊馬くんは、とにかく正直で、いろんなことをさらけ出してくれる」
―実際に会ってみてのお互いの印象を教えてください。
遊 会ってみてですか?そうですね、すごい優しそうな方で…
大 間違ってるな(笑)
遊 間違ってるんですか!?こわいこわいこわい!稽古場こわい!(笑)
大 (笑)
遊 まあでも、ビジュアル撮影の時にもお会いしたんですけど、結構な長丁場を最後まで付き合っていただいて、そういったところでも優しい方だなって思いました。今日、実際に事前稽古をやらせていただいて、本当にこれから一緒に頑張っていきたいって 思いましたね。すごくお芝居に熱い方だなって思って。
僕もわからないこといっぱいありますからいろいろ聞いていきたいなって思いますし、いろいろ言ってもいただけるので、すごく幸せですし、あらためてよろしくお願いします!…って感じです。
大 初めて会ったのはある劇場の楽屋なんですよね。ある方を介して紹介していただいて、その時にはもう一緒に「ざくろ」をやるぞってことは僕はもう知ってて。
で、会ったときに、最初の印象は…すげえでかい人だなって(笑)
遊 はい、でかいです(笑)
大 本当、大きいなって。その印象が非常にあったんですよ。でも今日会ってみたらもう慣れたんでしょうね。そんなに大きい感じはもうしないんですけど。
遊 なんですかそれ(笑)
大 大きいと冷蔵庫の上とか汚れてるの気になったりするんだろうなって(笑)。まあでも、何度かお会いしてるうちに、とにかく正直な人で、いろんなことをさらけ出してくれる人だってわかって。それが自分としては一緒にやっていきやすいので、安心はしてるんですよ。だから今後も正直にね(笑)
遊 はい、わからないことはわからないって言います!(笑)
大 じゃああらためて、よろしくお願いしますということで。
遊 はい!よろしくお願いします!
そう言って固い握手を交わしたお二人。12月から始まる稽古に向けて、士気の高まる対談となったようです。
そんなお二人が引っ張っていく舞台「おとめ妖怪ざくろ」、果たしていったいどんな舞台になっていくのでしょうか…。その答えはぜひ劇場でお確かめください!
舞台「おとめ妖怪ざくろ」
2017年1月18日(水)~1月25日(水)
全労済ホール/スペース・ゼロ
チケット情報はこちらから⇒ http://zakuro-stage.jp/ticket/